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さらに近くてもっと甘い
第5章 社長様、発熱中
相当嬉しいのか、熱があるというのにはしゃぎ出した隼人を見て、はぁ…とため息をついた。
「お二人とも…貴重な休みなのに…」
申し訳なくてそういうけれど、すでに光瑠さんは隼人のことを抱えている。
「いいんですよ。隼人といるの、好きですから」
「でも……」
チラと、加奈子さんの微笑む顔が頭を過る。
たまの休日、きっと二人で過ごしたいって、加奈子さんも思っているはずだ。
「お前は、あのドジ女と過ごした方がいいんじゃないか?」
私が心配していたことを光瑠さんが言うと、要さんは片眉を上げて光瑠さんをきつく見つめた。
「何度も申し上げますが、彼女の名前は“加奈子”です」
「何度も言うが、そんな事俺にはどうでもいい」
「ちょっと光瑠さん!」
些細なことでこうやってすぐに喧嘩を始めるから私も大変だ。
ペシっと軽く光瑠さんの腕を叩いたあと、私は要さんに向き直った。