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さらに近くてもっと甘い
第5章 社長様、発熱中
今は自分だけの体じゃない。
私だけが風邪を引くならまだしも、この子に何かあったらいけない。
それは分かっているけれど…
「ん……」
「光瑠さんっ……!」
ゆっくりと、目を開いた彼。
身体を乗り出して、顔を覗くとぼんやりしながら光瑠さんは天井を眺めていた。
「大丈夫ですか…?何かいります?喉乾いたとか?お腹、空きました?」
「……真希…」
ゆっくりと顔を私の方に向けた光瑠さんの頬が紅い。
ようやく目を覚ましたことにホッとしていると、光瑠さんは私が握っている手をギュッと握り返した。