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さらに近くてもっと甘い
第1章 過保護な旦那様
「まったく……
あなたの変わらなさは、ここまでくると尊敬に値しますね…」
言い返していた部下に、光瑠はああ?と声を返す。
いつもの光景に、酒田はタブレットを取り出してお得意の聞こえないふりを発動中だ。
「遅れたことは申し訳ありません。
そこに私たちの非は確かにありますけどね」
「何が言いたい」
「気が短すぎると…言っているんです」
「あぁ!?!?」
楯突く要に、光瑠は思わず立ち上がる。
「そういうところです」
「っ……」
一枚上手の要に光瑠は奥歯をギリと噛み締める。
「……ご結婚されて、8ヶ月後には父親になるんですから──」
説教じみたその口調に、フツフツと怒りが増していく。
「もう少し落ち着かれてはいかがですか?」
完璧な笑顔で締めくくった要の表情を見つめながら、光瑠はワナワナと震えていた。
うるさい!!!お前に言われる筋合いはない!!!!
そう怒鳴りたくて仕方がないが、それでは要の思うつぼであるから、どうもできないことが、さらに光瑠の怒りのボルテージを上げていく。