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さらに近くてもっと甘い
第1章 過保護な旦那様
わざとらしく咳払いをした酒田が自分の存在を知らしめる。
「あのーえっーと…」
そろそろ仕事を始めたいな…なんて…
弱気な酒田を尻目に、光瑠は傍に掛かっていたジャケットを掴む。
そして、颯爽とそのジャケットを着ると、要のことは見る事なく、扉へ歩き出した。
「行くぞっ!」
「えっ…あ、はい」
イラついているからか、さらに歩幅が広くなった光瑠に酒田は小走りで付いていく。
「社長…
この視察が終わったら、ご自宅へお邪魔してもよろしいですか?」
「……なぜだ」
「なぜって、真希さん、お元気かなと思いまして」
「……元気だ。だから来る必要ない」
背後からの要の言葉に、光瑠は振り向く事なく言葉を返していた。
無意味な嫉妬にまみれながら…