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さらに近くてもっと甘い
第7章 奥様の誕生日


「もうそれはいいから…ひかる、卵割って?」



あまりに上手く行かない初めての料理に、光瑠はムッとしたまま隼人に渡されたボールを掴む。



卵を……割る……



それは単純な作業である。



が───



白い卵を見つめながら、ジッと何かを考え込んでいる主人を見て、その場にいる全員が固唾を飲む。



絶対に上手くいく訳ない。




誰もがそう思った最中、意外にも光瑠は握った卵を調理台の角に当てた。




おぉっ…!



握り潰したりするんじゃないかとまで思っていた一同が小さく声を上げる。



良かった……


さすがの主人も卵を割るくらいのことは…



そう思った矢先



ビシャッ!!!と



派手に



卵が飛び散った。



「「「「…………」」」」



案の定加減が出来ずにそのまま調理台に押しつぶされた卵。


もちろんそれは、もはやケーキに使用できるような状態ではない。




「ったく!!!何なんだ!!」



挙げ句逆ギレした光瑠を見て、はぁ……と隼人はため息を付いていた。



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