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さらに近くてもっと甘い
第7章 奥様の誕生日
「一体……何を…?」
「……明日の…準備だ」
「明日…?」
明日ってなんか、あったっけ?
記憶をたぐり寄せようとしていると、隼人がタタタタと近付いてきて、私の事を見上げた。
「……ごめんね、隠してて…」
「……?」
「でも……ビックリさせたかったんだ」
シュンとなる隼人がいじらしくて、私は訳も分からないまま隼人の頭を撫でた。
「どういうことですか…?」
そして、光瑠さんを見つめると、光瑠さんは片手で顔を覆った。
「明日は…お前の誕生日だろ…」
「…え……?あ…」
そうかも…すっかり忘れてた!
「だから……隼人と一緒に作ってたんだ」
「作ってたって……」
なにを…?と調理室を見渡して考える。
まだ何も出来てないみたいで、ヒントが少ない。
でも…カカオの香りはするから…
「チョコレートケーキ」
ぽつりと、隼人が呟いて、私は、ああ!と声を上げた。