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さらに近くてもっと甘い
第1章 過保護な旦那様
以前と全く同じ状況。
「なんか、デジャヴだな…」
そう言って笑いながら、要さんが近付いてくる。
「どうしてッ…!」
と言い掛けて、このファミレスが有川グループであったことを思い出す。
「丁度、真希さんに会いたいと思っていたところでした…」
「えっ…」
甘く蕩けそうな表情とその台詞に迂闊にもドキっと胸が鳴る。
もちろん、要さんにはもう加奈子さんという素敵な彼女がいるので、深い意味はないのだけれども、こんなに素敵な人に微笑まれて胸が高鳴らない女はいないと思う。
「いやぁ、お久しぶりです、ってそんなにお久しぶりという訳でもないか…」
「酒田さん!」
七三に撫で付けた髪。
童顔でかわいらしい表情の彼に微笑みを返しながら、私は彼が「社長秘書」という職業であることを思い出す。
おかしい…
副社長の要さんがいて
そして社長秘書の酒田さんがいる
ということは…
嫌な予感がしたのと、背後から殺気立つものを感じたのは同時のことだった。