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さらに近くてもっと甘い
第1章 過保護な旦那様
大袈裟な光瑠の声に、真希はギュッと目を瞑った。
「欲しいものがあるなら、俺に言えばいいだろうがっ!」
「ちがっ…そういうことじゃないんです!別に欲しいものがあったわけじゃなくて──」
「ああ!?!? なら尚更何故家を出た!!!」
あまりの大きな声に、周りの者も何事かと、ざわつき出している。
「愛花ちゃんと、梨子と、買い物に行きたかったんです!!」
「欲しいものもないのに…か!?!?!」
「欲しいものがなくたって、ぶらぶら歩いているだけで楽しいものなんです!!
女心の分からない光瑠さんには、私の気持ちなんて一生分かりません!!!!」
「っ……何をごちゃごちゃと訳の分からないことを…
一体誰に向かって口を聞いてるんだ!!!」
「もぉ!! なんでそんなにいつもいつも偉そうなんですか!!!考えられない!!!!」
あーいえばこーいう。
まさにそんな状態の二人の様子を見ながら、要はぽりぽりと頰を人差し指でかく。