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さらに近くてもっと甘い
第1章 過保護な旦那様
「真希…?大丈──」
「ごっ、ご主人様っ…」
あまりの騒がしい様子に、心配になった梨子と愛花は、目に入った光瑠の姿に身を引かせた。
なんでご主人様がっ……
慌てる愛花は視界に入っていないのか、ムッとしたまま対峙する二人に冷や汗が垂れる。
「光瑠さんは私のことなんだと思っているんですか!!」
「何って、お前は俺の、つっ、妻だろうがっ…!」
怒鳴りながらも“妻”という慣れぬ言葉に、言いながら少し恥ずかしそうにしている光瑠を見て、要がふっと鼻で笑った。
もちろん、妻本人である真希も少し照れを見せている。
何なんだ、この言い争いは…
公衆の面前でいちゃついているようにしか思えない酒田は、呆れた表情を見せる。
「つっ、妻だったら、家に閉じ込めていいんですかっ!」
「別に閉じ込めてなど──」
「何が何でも私を外に出すなって古畑さんに言ったくせに!!!」
「っ………」
言い返せない。
──────────そうやって縛り付けていいことなど何もない…
先ほどの要の言葉がこだまして、頭から離れない。