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さらに近くてもっと甘い
第10章 一番近くに
「引いたりしないっ……」
愛花がそう伝えると、浩平はグッと息を飲んだ。
そして、ゆっくりと愛花の手を掴んで、腰に回った腕を解いていく。
「我慢出来なくなっから…マジでやめろって…っ」
途端に素っ気なくなった浩平に、愛花は目を見開く。
どうして我慢するの……?
なんで、やめなきゃいけないの…?
それが分からずに、愛花は片手の拳を握る。
そして、脳裏に浮かんだ梨子の言葉───…
「……ちょっと…待っててっ…」
「え…?」
「かっ…帰ったりしないでねっ…」
「は…?ちょっ…愛花っ…」
カバンを手に掴んで、何故か部屋から消えていった愛花に、浩平は首を傾げる。
そして、はぁ…と溜め息を吐いたあと、ベッドの傍の床に腰掛けた。