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さらに近くてもっと甘い
第11章 社内恋愛
「私も何回ぶちまけたか分からないよ〜」
そう笑いながら言って、資料を集める加奈子をじっと見つめていた幸太郎はハッとして、すみませんと謝る。
先輩に何させてるんだっ……
「あのっ……自分でやるんでっ…」
「大丈夫だよ。私は幸太郎くんの教育係だからね!頼って頼って!」
グッと拳を握った加奈子はそう張り切って言って、トントンと資料をまとめる。
「………ありがとうございます…」
「元気出して!」
田舎から出てきて、精一杯だった一年前の自分を加奈子は懐かしんでいた。
私には同じ部署に香純や藍という同期がいたけど、幸太郎くんはいないからなぁ。
きっと心細くて仕方ないに違いない。
上司ではあるけれど、あまり堅苦しい関係じゃなくて、仲間…みたいに思ってくれればいいけど。
純粋な親切心から、加奈子は優しく微笑むが、幸太郎はそんな加奈子に心臓が高鳴って仕方ない。