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さらに近くてもっと甘い
第11章 社内恋愛
資料を整え終えた幸太郎が運ぶ場所を思い出そうとしている姿を見て、加奈子は、うん、と1人で頷く。
「幸太郎くん!」
「は、はい!」
「今度、一緒にメガネ買いに行こ?」
「えっ……?」
突然の誘いに幸太郎は間抜けなら声を上げる。
買いに行こ…っていうのは……
「うーんと…。随分経っちゃってるけど、私からの入社祝いってことで買ってあげるから!」
「い、いやいや!! 悪いですっ……」
「んー。でもね、ドジな上に度が合ってないメガネ掛けてるとか、鬼に金棒の逆バージョンだよ?」
………はて…それは…
「餓鬼に苧殻……てことでしょうか…」
「へ?がきに…おがら?」
何だろうか、それ……
首をひねる加奈子に、幸太郎はえっと……と言葉を続ける。
「元々大したことのないやつが、大したことのないものを武器にして振り回してる…みたいな……」
「へぇ……。幸太郎くん…頭良いんだねぇ……」
何だ…私とは全然スペック違うじゃん……
少し落ち込んだ加奈子は、ブルブルと頭を振る。