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第11章 社内恋愛

嫉妬なんて……そんな子どもっぽいこと、副社長がする訳ないか……


好きと言われたことと、嫉妬されなかったことと、複雑な気持ちが加奈子の中で混ざる。


余裕そうに微笑んだ要が、実は気持ちを押し殺していることには気付いていない。



「加奈子が上司で……その子は幸せだね」



言い方が嫌味っぽくなってないだろうか……

要はそれが少し不安だった。



「そんなっ……」


「いつ会わせてくれるの？」


「会わせたいんですけど……でもなかなか機会がないですしっ……」



それになんて言って会わせるの……？



要と加奈子が恋仲であることは、何となく秘密になっている。


完璧な副社長とドジで何の取り柄もない自分が付き合っているなんて、そんな噂が流れたら副社長に迷惑がかかるし……