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さらに近くてもっと甘い
第11章 社内恋愛
「早く……会わせてよ。面白い子なんでしょ?」
「そ、それはそうです。すごくかわいくて……ほんとほっとけないんですよねぇ…」
「──────……」
自分で聞いたくせに、他の男のことを気にかけている加奈子に要は苛立って仕方がない。
それでも、そのままこのモヤつきを加奈子にぶつけてしまうのは、やはり違う違う気がする。
「心細いっていうの、すごい分かるんです。それにドジだと結構苦労しますし……」
へへと笑った加奈子は、要を見上げて、アッと声を上げる。
「もちろんっ……周りの人に迷惑を掛けているんで、そんな苦労とか言ってられないんですけどっ…あのっ……でも────」
「─────加奈子……」
「へっ……?あっ…」
この、胸のざわつきは、一体どうしたら……
分からない。
そのまま、要は加奈子の手首を反射的に掴んで名前を切なげに囁く。
動揺して、そして同時に加奈子が顔を紅らめているのを見て、要は自分に言い聞かせる。
………大丈夫だ…
彼女は“僕のことを”想ってくれている。
分かっているのに……
「えと…あの……ん────っ…ふぁっ…」
突然唇を熱く重ねられて加奈子は、目をパチパチと見開く。