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さらに近くてもっと甘い
第12章 メガネデート
何となくではあるが、話は見えた。
しかし、それをどう対処しようか計り兼ねていると、古畑が酒の瓶とグラスを持って再び部屋に現れた。
「お待たせしました」
ぺこりと頭を下げた古畑に、真希がもぉ!としびれを切らす。
「古畑さんも!! 光瑠さんの言う事に何でも従うんだから!」
「……それは…光瑠様はご主人様ですので…」
少しバツが悪そうに古畑は言う。
何ともやり辛くなってしまった。もちろん、光瑠の妻である真希も、古畑の主人であることに変わりはないのだ。
「古畑は、わきまえているだけだ」
ソファーに腰を下ろした光瑠は偉そうにいつも通りその長い足を組む。
そして再び強く妻を見つめた。
「お前も、歯向かってばかりいないでもう少し俺に従ったらどうなんだ」
「……いやです。私は光瑠さんの言いなりの人形じゃありませんから」
冷たく言い放った真希は、そのままフンっと顔をそらす。
そして、愛花の腕を掴んで、そのまま部屋を出ようと一歩を踏み出した。
「ったく……っ」
思い通りにいかない。
それは今に始まったことではないが、いつも通りそれに苛立って、光瑠は真希の後ろ姿を見つめた。