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さらに近くてもっと甘い
第12章 メガネデート
「お前は、こういう気持ちにならないのか」
すかさず、3杯目の酒を注ごうとしている要に、光瑠は尋ねた。
「僕…ですか……?」
「ああ」
うん…と唸る彼は、いつだって、何でも完璧にこなしてしまう。
そして、要も真希同様に優しい。
誰にでも微笑みを向けて手を差し伸べて……。
それでいて、自分が正しいと思った事は貫く。
似ている───…
光瑠が、一生傍にいて欲しいと願った真希と、一生傍で働いて欲しいと願った要の性格は同じような所があるのだ。それは兼ねてから感じていたことだ。
「お前は……立場が逆か…?」
「……? それはどういう意味ですか?」
呑気に首を傾げている要に光瑠は呆れた。
「お前は、真希同様誰にでも愛想を振り撒くだろ。だから、ドジ女はハラハラしてるんじゃないか」
「彼女の名前は加奈子です」
「ったく…今はそんな事どうでもいいだろうが」
そう言いながら、光瑠は要のグラスを掴んで要に差し出した。
話を聞いてばかりいたからか、酒が減っていない。
「…………ハラハラはしてないんじゃないですか…? それに僕は誰にでも愛想を振り撒いたりなんかしてませんよ」
───────振り撒いてないです!!!
先ほどの真希の言葉と要の言葉がシンクロして、光瑠は天井を見上げる。
無自覚なところまで似ている…か。
それはそれでまた腹が立ってくる。