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さらに近くてもっと甘い
第12章 メガネデート
「それに僕は……社長とは違うので、縛り付けたりはしません」
「………縛り付けなくても、あいつがお前にへばり付いてるんだろ」
「別に……そんな事は…」
いつだって、あの女は、副社長副社長とうるさい。
真希も、ドジ女と同じくらい、光瑠光瑠と四六時中言ってくれれば……
「あれだけ想われていれば、嫉妬される事はあってもすることはない、ということか」
「──────…」
光瑠の言葉に、要は押し黙る。
その要の様子を見て、光瑠は敏感に何かを感じ取っていた。
「加奈子は…嫉妬なんかしてきませんし……」
「………………」
「僕も、そんなバカバカしいことはしません。彼女を信じていますから」
「………そうか」
光瑠が少しだけ口角を上げたことに、要は気付かない。
頭の中では、まだ会った事もない想像上の幸太郎と加奈子が楽しく街中を歩いている姿が浮かんでいる。
「関根……」
静かに呼ばれて、要は返事をしながら顔を上げた。
光瑠はグラスの中を見ている。
「………何があった」
「は………?」
「休日であるにも関わらず、何故突然ここに来た」
「…っ………ですから…隼人と…」
「そういう時は必ず前もって連絡をよこしてくるはずだ。違うか?」
「──────…」