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さらに近くてもっと甘い
第12章 メガネデート
ソファーから華麗に立ち上がった光瑠は、古畑を呼びつける。
「お前も男なら、その後輩とやらの気持ちが分かるんじゃないのか…?」
「…………僕は加奈子を…信じています」
「だから、問題はドジ女の方じゃないと言ってるんだ。ドジ女が気味悪いほどにお前にぞっこんな事くらいは俺も分かっている」
「は…あ……」
先ほどの光瑠と同じように、要は頭を抱える。
経験のない苦しみ。ドロドロと、決して美しくはない感情が要の体を満たす。
そこに現れた古畑に、光瑠は追加の酒を持ってくるように頼んだ。
「あなたを尊敬します……」
「なんだ急に」
「………ずっとこんな気持ちを抱えて過ごしているだなんて、僕には耐えられませんよ」
無理に笑った要を見て、光瑠は少し不機嫌そうにソファーに腰掛けた。
「俺も耐えられない」
「……………」
「と言うか、耐えてない」
光瑠が開き直ると、古畑が新しい酒を持って、部屋に現れた。
再び、扉がキィ…と鳴る。
扉が閉まり終わると、要は大きく溜め息を吐いた。
「思っている事を伝えればいいだろう。ドジ女に」
「あなたの言う通りにしていたら、今のあなたと真希さんと同じ状況になるように思うのですが」
「…………」
言い返せず、光瑠はチッと舌を打つ。
でも、やはり、光瑠は要のように、気持ちを堪える事は出来ない。
だからいつも感情をそのままに真希にぶつけてしまうのだ。