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さらに近くてもっと甘い
第12章 メガネデート


メガネ屋でのひととき。

色々なメガネを試しては、こっちの方がいい、あっちの方が、と真剣に考えてくれた。


それに……



「…先輩も…メガネ似合ってましたよ」


「え〜。本当?」



ニコニコと加奈子は笑う。



「じゃあ目が悪くなったら、今度は私のメガネ、幸太郎くんに選んでもらおうかな」


「っ……ぜ、ぜひっ…」



これって少しは期待していいだろうか。

嫌われてはいないんだろうけど…。でも恋愛対象として見られているのか、と考えると少し怪しいものがある。




「あの……せ、先輩って…お付き合いしてる方とか…いらっしゃるんですか…」



今さらに質問にドキドキと心臓が高鳴る。

答えが怖い。


そう思いながら加奈子の事を見ると、加奈子がポッと顔を紅らめて視線を落とした。




「いっ、いきなりだね…」


「………すみません」


「一応いる……の、かな?」



本当にこの世の人なのか、疑わしいほど完璧なあの人……


ぼんやりと要の姿を思い出しては、頬が紅く染まって行く。




「─────……」



確実に、今まで幸太郎には見せたことのない表情になった加奈子を見て、幸太郎の顔の血の気が引いていく。



いる…のかっ……。そりゃあそうだ…。田部先輩は、明るくてかわいくて…ああ…もっと早く聞いておくんだった…。



「そう……なんです…ね。もう…長いんですか?」


「う〜ん……。もうすぐ…1年かなぁ…」



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