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さらに近くてもっと甘い
第2章 激甘な彼氏様
現れた貴公子…
いや王子様?
さらりと黒髪が靡いて、彼は、加奈子のことを見つけると、その甘いマスクで微笑む──
「来てたんだね」
「あっ…えとっ…あのっ…」
「ん?」
慌てる加奈子の足下に要は目を凝らす。
まずい
その三文字が、加奈子の頭の中でぐるぐるしている。
「ちがっ…あのっ…これは…っ
いや、その違わないんですけどっ…あの…」
いつも通り支離滅裂な加奈子が面白くて、クッと笑いを堪えながら、見つめる。
「欲しいならあげるけど?」
「いやっ…欲しいとかじゃなくて!
気になっちゃって!あのっ…」
なんて言えばいいんだろうっ……
パニックになってしまって、言葉が出てこない。
このままじゃ勝手に上がり込んで、勝手に靴を履いてニマニマしている変態に思われちゃうっ…!