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さらに近くてもっと甘い
第12章 メガネデート
「本当に……幸せですか……?」
「─────……」
聞きながらも、心臓がバクバクと暴れている。
失礼かもしれない…
そう思っていても、聞いてしまうのは、やはりどこかに自分の入り込む隙が欲しいから……だ。
「……し、幸せだよ…?」
困ったように、作り笑いを見せる加奈子を見て、幸太郎は思わず机の上の加奈子の手をギュッと握った。
「幸太郎くんっ…?」
「でもっ……好きな人が…男と2人なのに平気って、おかしいですよ…っ」
「あ、あのっ……」
「俺だったら絶対嫌だし……!」
照れながらも、真剣な表情を見せた幸太郎に、加奈子はドキっと胸が鳴ったのを感じた。
あまり良くない展開かもしれない……
ドジで鈍感な加奈子にも分かるくらいのその場の空気。
どうにかしようと打開策を考えていると、スッと幸太郎は加奈子から手を離した。
「…………すみません…」
「………っ…いや…あのぉ……」
「田部先輩──…」
改めて名前を読んだ幸太郎は、じっと加奈子を見つめた。
この人が好きだ───
どんな時でも笑っていて、楽しそうで、そして底なしに優しくて……
惹かれるのは当たり前。そして、どうしてもこっちを向いて欲しい……。
「男は……たくさん溢れてますか…ら……」
「う…ん?」
「もっと、周りを見てみて下さい……っ」