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さらに近くてもっと甘い
第12章 メガネデート
───────…
帰り道。
ぼんやりとしながら加奈子は空を見上げた。
送ると何度も言ってきた幸太郎を頑なに断った。
なんとなく……あのまま二人でいるのは良くない気がした。
────────好きな人が…男と2人なのに平気って、おかしいですよ…っ
「はぁ………」
ぐるぐると頭を回る幸太郎の言葉。
何と無く分かる気がしているけれど、それでもそれが要という人間にも当てはまるのかが分からないでいる。
……大事に…されてないってことはないと思うけど…
付き合えてるだけで、夢みたいな話なんだ。
それに加えて、少しでも嫉妬して欲しいとか思うのは贅沢だし、子どもっぽい要求な気がしてならない。
というか、そんなに気にしていなかったのに、幸太郎に言われた事で不安が広がってしまっている。
「………やだなあ…」
夜道で独り言を呟くと、ブーっとカバンの中でスマホが振動した音がして加奈子は、あばぁっ!! と奇声を発した。