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さらに近くてもっと甘い
第14章 新しい家族
それにしても、
どこかで怪我でもしているんだろうか。
あいつのことだ。
張り切って、猛ダッシュの挙げ句、転んで………
「うわあーーーーーーーーー!!」
「!?!?!?」
突然聞こえてきた隼人の声に、びっくりした光瑠は辺りを見回す。
「お、おい!どうした!? 隼人!!どこだ!!」
なんとか、声のする方へ向かって、隼人の姿を探す。
大怪我でもしていたらっ…────
心配で辺りをグルリと周り、捜索を続けると、木の影から隼人の靴らしきものが見えて、ハッとした。
「うわあーーーーうわーーー!!!」
「隼人! そこか!? 大丈夫か!!」
木の裏を慌てて覗く。
俯く隼人を見つけて、光瑠はホッとすると同時に、しゃがみ込んですかさず隼人の肩を掴んだ。
「どうした! どこか怪我でも────」
「みーーーつけた!!」
「─────っ…」
顔を上げた隼人は笑みを見せると、
呆気に取られている光瑠の表情を見て、ケラケラと笑い出した。
やられた………
「ひかるは、隠れなきゃいけないんだよー?」
「お前っ………」