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さらに近くてもっと甘い
第14章 新しい家族
いつから、こんなにもズル賢くなったのか。
そして何より、こんな簡単な仕掛けに引っかかったことに腹が立って、光瑠はチッと舌を打った。
しかし、そんなことはお構いなしで隼人は笑い続ける。
「ったく……心配掛けておいて何がそんなに面白い。」
「んーーごめんってー」
「それに俺は暇じゃない」
腕時計を再び眺めてさらに慌てる。
こんなしょうもない遊びに付き合って、随分と時間が経ってしまっている。
流石にまずい………
10歳相手にムカつく気持ちを抑えて仕事モードに切り替わっていく光瑠。
ジャケットを取りにベンチへ向かうと、隼人がごめんてーーといいながら、付いてきた。
「ねぇ、ひかるーー、おこらないでー? また遊んでくれるよねー?」
「さぁな、俺は忙しい。お前ももう家に戻れ」
えーーっと言いながらむくれている隼人を尻目に、ジャケットを掴んで羽織る。
すると、ポケットでスマホが震えているのを感じて、急いで取り出した。
画面に写った関根の文字に、光瑠は、ん、と声を漏らし、そのまま電話に出た。
「関根か、すまない、まだ屋敷に戻れてな─────」
「社長!!!!!」
「っー!?!?」
突然の大声にびっくりして思わず耳から電話を離した。