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さらに近くてもっと甘い
第14章 新しい家族
「……なんだ、突然大声出して」
「突然じゃないですよ!! どれだけ電話したと思っているんですか!!!!」
普段冷静な右腕の慌てた様子に、光瑠は眉間に皺を寄せた。
ただならぬ事態に色々な最悪な状況が頭に浮かぶ。
「一体どうした」
もしや真希に何か…
そばにいる隼人も、空気を察したのか固唾を呑んで光瑠の様子を見ている。
「真希さんが…」
「ま、まきがっ…どうした!」
嫌な予感が当たってしまった───
体が恐怖で強ばるのが分かる。
手が震えそうになるのを必死で堪えていると、
要側で、つながりました? 良ければ代わってください、という真希の声が聞こえた。
「真希! どうした!! 何があった!!」
ガチャガチャと音がして、もしもし、と愛しい声が響く。
「光瑠さん……?」
「何かあったのかっ……」
「えぇ、それが、ついに産気づいちゃったみたいで」
「…さん…………、」
け、づいちゃっ…た……
真希の言葉がただの音となって光瑠の頭の中でぐるぐると回る。
言葉を発せなくなっていると、いたっ………と真希が声を上げた。
「お、おぃ、真希っ…!大丈夫か!」
電話の向こうで、再びガチャガチャと音がして、
と、いうわけですので、と要の声が響く。
「社長、今すぐ病院に来てください」
「な、、お、おい、真希は、真希は大丈夫なのか!」