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さらに近くてもっと甘い
第14章 新しい家族
悲痛な真希の声が聞こえてくる。
それに不安が募ってただただ立ちすくむ光瑠。
「大丈夫も何も、もう産まれるんですよ!!!」
「っ…───────」
「社長、あなたがいないと!! だから早く来てください!!」
「わ、分かった!」
素直にそう答えた光瑠は電話を切る。
まず何から、どうしたらいいのかっ……
どこに、それから────
「ひかる!!!」
完全にパニックを起こしていた光瑠に、隼人が喝を入れるように名前を呼んだ。
「おねーちゃん何かあったの?」
「い、いや、そのっ……」
「もしかして!! 赤ちゃん生まれるの!?」
察しのいい隼人は目を輝かせて光瑠を見つめる。
うま…れる………
「あ、あぁ、みたい、だ」
うまれる
真希と、俺の子が………
じわじわとその言葉の意味を光瑠の頭は処理していく。
わーーー!!!と喜ぶ隼人は、光瑠のジャケットの袖を掴んだ。
「じゃあ行かないと!!! びょーいん!」
その言葉にハッとした光瑠は、こくりと頷いた。
そうだ、今病院に行かなければいけない───
「急ぐぞ!」
その言葉を合図に2人は再び走り出していた。