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さらに近くてもっと甘い
第14章 新しい家族
真希さんのいう通りだ……
「大丈夫です。」
「本当か」
「えぇ、だから、落ち着いて、と」
「………と??」
首を傾げる光瑠に、要は笑みを返す。
「えぇ、真希さんが、そう社長に伝えてと、おっしゃっていました。」
「っ…………」
片眉を上げた光瑠は、見透かされていることに少し不機嫌になる。
何が落ち着いて、だ。
落ち着けるわけがない。
バカにしたような言葉も、無茶な言葉もどちらも光瑠の癇に障ってふんっと息を吐くと、分娩室の中から悲鳴が聞こえて、狼狽えた。
「お、おい、今の声、真希だよなっ……」
「……えぇ」
「大丈夫なのかっ………」
案の定パニックとなった光瑠がいても立ってもいられずに、分娩室扉へ向かう。
再度落ち着かせようと要が光瑠の肩に手を乗せる。
「社長、大丈夫です。医者もそう言っていましたし、何人も看護師さんがいて、真希さんの様子をみてくださっていますし」
「うるさい! 医者の言うことなんか信じられ───」
要の手を振り払って、そう言い返した時。