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さらに近くてもっと甘い
第14章 新しい家族

聞こえてきた赤子の泣き声に、

光瑠も、要も、隼人も、ハッと息を飲んだ。



高らかな声。



再度振り返って分娩室の方を見ると、

生まれましたよーーーという声が響いた。



「───────」



皆が呆然と立ち尽くす中、扉が開く。



部屋から出てきた看護師と思わしき人物がニコリと笑ったのが分かった。



「無事に生まれましたよ〜。ご主人もぜひ中へ」


「あ、……え、えっと……」



明らかに要の方に向かって放たれたその言葉に、要は気まずそうに言葉を返す。


真希の主人はこの俺だ─────



きっとそんな風に怒鳴り出すに違いない。


そんなことを思いながら、ちらと光瑠に目をやった。


が……




「────────」



完全に放心状態の光瑠は、看護師の間違いにも全く気付かず立ち尽くしている。


緊張で張り詰めていたが、そんな様子の上司を見て、要はフッと笑いながら力の入っていた肩を下ろした。



「主人はこちらです」



そう言って、要は光瑠の方を手のひらで指す。



「あら、ごめんなさい。ではどうぞ、ご主人、中へ」



そう声を掛けられてもなお、呆然と立ち尽くしたままの光瑠に痺れを切らしたのか、隼人がひかる!!!!と大きな声で声掛けた。



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