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さらに近くてもっと甘い
第14章 新しい家族
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しばらく無言で赤ちゃんを見つめている光瑠さんを見ていると、光瑠さんは静かにスーーと涙を頬を流した。
光瑠さん……ないて……る?
びっくりしていると、光瑠さんは、赤ちゃんを見たまま、私の名を呼んだ。
「はい……」
「………ありがとう…」
この言葉に、思わず私も涙が込み上げてきた。
「……こちらこそ…」
こんなに幸せな気持ちにさせてくれて、本当に心から光瑠さんには感謝している。
その後も、光瑠さんは静かに涙を流しながら、ありがとうと何度も言っていた。
笑いながら、窓の外を見る。
こんな想いをして、産んでくれたお母さんにお礼を言いたい。
経験して初めて分かることに、胸が震えて、止まらない。
お母さん………見ててくれてる…?
赤ちゃん産むのってこんなに大変なのね……。
本当に……本当に、産んでくれてありがとう。
「ついに僕もおにいちゃんだね!!」
嬉しそうにしている隼人の頭を撫でる。
「隼人はおにいちゃんじゃなくて、おじさん、なんだよ」
「えーー!!僕おじさんじゃないよ!!」
ムッとしている隼人に、どう説明しようかと考えていると、真希さん!と声がして声の方は向いた。
「本当におめでとうございます。」
「要さん……」
破水した時要さんがそばにいてくれて本当に助かった。
要さんにも感謝してもしきれない。
「ご無事で何よりです」
そう言いながらホッと息を吐く要さんに、感謝を述べると、要さんは光瑠さんの方をチラと見つめた。