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さらに近くてもっと甘い
第14章 新しい家族
それはそれは愛おしそうに、我が子を抱いている光瑠さんの様子を見て、要さんは口元を緩ませる。
「もしかして、泣いていらっしゃる……?」
小声で私に聞いてきた要さんに、コクりと頷いた。
クククと喉を鳴らした要さんは、良かった良かったと呟くと、で……と言葉を続けた。
「お子様の、性別は……?」
そうそう。
生まれるまで、聞かないでおいた性別。
「実は……」
コソコソっと要さんに耳打ちすると、要さんは、えっ…と声を上げて、そのあとまたクククと笑った。
「いやぁ……そうですか。それはまぁなんと」
なんとなく、要さんの言いたいことはわかる。
光瑠さんは、肝心の性別も聞かずに、ひたすらに赤ちゃんを眺めている。
耐えかねたのか、要さんは少しニヤニヤしながら、そっと光瑠さんのそばに近付いた。