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さらに近くてもっと甘い
第15章 副社長様のクッキーと甘いお仕置き


「取られたくないんだ、誰にも君を」


「……っ…………」


「加奈子…」




甘く囁いた要は、加奈子の手を再び握る。




「伝えたいことがある」



「えっ……な、なんでしょうっか……っ」



「愛してるよ」



その言葉に、加奈子は完全に顔を真っ赤にさせて、目を回す。


一気に色々起きすぎて処理が出来ない…っ………


いつにも増してかっこよく見える要の姿に、加奈子は過呼吸を起こしそうなほど心臓が強くなっているのを感じていた。




「独占欲を出すのはかっこ悪いと…ずっと思っていたし、そんなのは自分らしくないと思っていたけど…」



要はいつも妻のことを束縛している上司を思い浮かべながら、ふっと笑った。



「君にありのままを見せてみようって……。意外と普通の男でがっかりした…かな」



「が、がっかりだなんて…っ……むしろ嬉しいです…。私も……愛してますっ……」




目尻を下げて、微笑む加奈子の顔を見て要は合わせてニコリと微笑む。


そして、幸太郎の方に向き直る。




「と、いうわけで君には悪いけど」



「っ……い、いや、まさか副社長だとは思っていなかったのでっ……」




しどろもどろする中、チクリと痛む胸に幸太郎は無意識に手を当てる。



叶うはずのない恋。


それでも幸せそうな加奈子の顔に少しホッとしている自分もいる。



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