この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
さらに近くてもっと甘い
第16章 アイドルの交代
「……要さん…?」
「ちょっと抱っこさせてください」
「で、でも……っ…」
困るお姉ちゃんに、要はニコニコと笑みを返す。
相変わらずのんちゃんは泣き喚いたまま。
ひかるがオモチャを振っても何も効果がない。
「スーツ汚しちゃうかもですしっ…」
「構いませんよ」
引き下がらないかなめに、お姉ちゃんは、迷ったあとそのままのんちゃんをかなめに渡す。
喚いたままののんちゃんはかなめの腕の中に入ると、やっぱりしばらく泣き喚いていた。
けど……
「……泣き…止んだ……─────」
信じられない。
さっきまで、すんごい声を上げていたのんちゃんが、突然涙を止めると、今度はかなめのことを見てケラケラと笑い出した。
笑うのんちゃんは本当に天使で、かわいい。
ホッとしていると、お姉ちゃんは「さすが……」と呟きながら椅子にへろへろにながら座り、ひかるは目を鋭くさせてかなめのことを睨んでいた。
「なぜっ……お前だと泣き止むんだっ……!!」
カリカリしているひかるを尻目にかなめはのんちゃん高い高いさせながら微笑む。
そしてぐったりしているお姉ちゃんのそばに寄った。
「お疲れですか……?」
「………中々上手くいかなくて…っ……。かわいいし、幸せなはずなんですけど」
頭を抱えたお姉ちゃんのそばにひかるがしゃがみ込んだ。