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さらに近くてもっと甘い
第3章 喧嘩するほど?
「隼人…」
「んー?」
他の猫たちに餌をやりながら、隼人は返事をする。
背が少し伸びた。
当たり前だ…
もう今年10になろうとしてるのだから。
「そこにある瓶を取ってくれ」
「瓶?」
振り返って光瑠が指を指した先を見つめる。
「あれ?」
「そうだ」
「お酒でしょ?」
「あぁ」
「あんま飲むと、おねーちゃんにまた怒れるよ?」
心配そうな隼人を、光瑠は目を細めながら見つめた。
「あいつが怒ろうと何だろうと関係ない!!
俺は有川光瑠だ!
飲みたくなったら、飲む!」
荒々しく、ワガママな光瑠に隼人は困った顔をして酒に近付く。
「知らないよ、僕」
「うるさい!いいから入れろ!」
イライラしながら、空になったグラスを隼人に差し出す。
──────────こんな分からずやの人と話してたらストレス溜まっちゃうもの!
「ったく…」
ととと、と音を立てて隼人がグラスに酒を入れる。
大体あいつが言うことをきかないから酒が止まらないんだろうがっ…
心の中で悪態をつきながら、酒を入れ終わった隼人に礼を言おうとしていたその時。