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さらに近くてもっと甘い
第4章 家族の形
「愛花…?」
食卓を見つめたまま、椅子に座らない彼女の名前を浩平が呼んだ。
────────家族が怖いのっ……
以前、涙を流して愛花が発した言葉がふっと頭に沸いた。
どうってことのない自分の家族だけれど、いきなりこんなに全開の家族に会わせるべきじゃなかったのかも…
不安になった浩平が、愛花の顔を覗き込もうとすると、それよりも先に愛花が浩平の方を見て笑った。
「浩平くん……」
「どうした?」
「家族って素敵だね……」
「っ………」
あんまりに純粋な笑顔を見せられて、キュンと浩平の胸が鳴る。
この家族の、一体どこを見てそう思ったのか疑問はあるが、それでもそう嬉しそうに言ってくれるのは嬉しい。
「お兄ちゃんと結婚して本当の家族になってよ!」
「なっ……瑞希…!」