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【R-34】
第12章 『不知夜月』
『浮島主任、お洗濯もしておきますね』

『いやっ、そんな事までは悪いからっ』


『……ぁっ、すみません。ご迷惑ですよね……ごめんなさい……出すぎた真似をして……』


しゅんと落ち込む彼女に圭吾は眉間を寄せる。

だからどうしてそう、一々そんな愛おしいのか。



誰だって期待してしまうでは無いか。

彼女は自分に気があるのではないか、と……。


『……ごめん、そう言うんじゃなくて、せっかくの休みに、その……申し訳ないから……』

『私がしたくてしてるんです!……ダメ、ですか?』


伺うその上目使いに圭吾は強く拳を握った。



爪が刺さる痛みで辛うじて留まる自制心。


彼女を傷付ける前に早く帰って欲しいと思うのに、まだ自分の部屋で鼻歌混じりに洗濯物を畳んでいる彼女をもっと眺めていたいと思う裏腹な気持ち。
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