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【R-34】
第12章 『不知夜月』
だから、そんな気を持たせるような顔するな。


……そんな、寂しそうな顔されると期待するんだって!

君は知らないだろうけれど、男は馬鹿な生き物なんだから。


傍にいれば自分に惚れてるんじゃ無いかとか、良い方にしか考えないんだって!

『そんなに暇なのかい?年頃の若い娘が……』


彼氏は居るのかとつい口に出そうになって慌てて口をつぐむ。

それはあまりにも踏み込んでるし、何よりセクハラだ。


『彼氏とか居ないんで、お休みの日はいつも暇なんです』

その笑顔が可愛らしい。


『だから、ここに居ても……良いですか?あの、お邪魔じゃなければ』



そんな事言われて断れる男がいるか?

寝返りを打ちながら仕方なくという体で『ああ』とぶっきらぼうに答える。


本当は嬉しくて堪らず、布団の中で拳を強く握った。
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