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溢れる好きと君へのキス
第1章 *
ーーー
「お前…大丈夫か?…片山?おい片山!」
「…はい!すみません松野さん!」
上司から声をかけられ思わず身体がとびはねる。
「朝からどうした、そんなんじゃ仕事に集中できないだろ?
なんかあるなら聞いてやろうか?」
「…えっと…」
ただでさえ憂鬱な月曜日。
朝からあんなことがあれば魂も抜ける。
でも私には目の前に仕事がある。
あの男め。今頃は違う女の家だろう。
もう考えただけで涙が…
「…待て、泣くとかあの…そういうあれか。ちょっと待て。
長くなりそうだけど、あーでもな、辛そうだから…
今日の帰り奢るから飲みにいこう。
あとそんな今日外回り大変じゃないし、お前会社待機でいいよ。」
「そんな…迷惑かけられませんし行きます…!
すぐ化粧直してきます!」
「いやいいってば、今週末のイベントの会議の資料
終わんなそうだからやっといてほしいし。」
「…でも…」
目の威圧が怖い。
「お言葉に甘えさせていただきます…」
頷いた松野さんは175cmの長身を翻して行ってしまった。
仕事に私情を持ち込んだりして私は最低だ…
せめて終わらせておこう。と資料を探しに立ち上がった。