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キミの体温 ボクの吐息
第6章 離
加賀が取ったその部屋は丘の上に立つホテルの中でも最高に見晴らしのいい
ダブルの大きな部屋で
部屋の中に小さなツリーが輝くサービスの良い部屋だった。

「加賀らしいよ」

この部屋を選んだ加賀に可笑しくなって口元が緩めば
白石が不思議そうに
「え?」
と聞いた。

「あ、ごめん。素敵なクリスマスの種明かしをすると
この部屋もレストランも加賀が予約していたものを譲ってくれたんだ」
「そうなの?」

「ホテルのクリスマスは半年前予約じゃ遅いからな。
さすがにここ数週間じゃどうにもならない」
「そうよね」

白石はぐるりと部屋を見渡して
大きなガラス窓に広がる眼下の綺麗な夜景にため息をついた。

「加賀くんは?この部屋を譲ってくれてよかったの?」
白石のその言葉に俺はさらに笑いだす。

「加賀は毎年予約してるんだよ」
「え?」
「その時の1番のお気に入りの女の子と泊るんだ」
「加賀くんったら・・・」

白石もおかしそうに笑う。
「加賀らしいだろう?」
「そうね」
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