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愛しい記憶
第8章 記憶
「事故じゃない……っ」
事実を否定したくて、俺は悠人にそれだけいって、ドアのノブを掴んだ。
事故にあったのは、むしろ…────
「友也……」
「……悠人っ…」
お前は…
心配そうに見つめている彼を眺める。
「……何の話をしてるんだ…っ」
知りたくない。
でも、それではこのままだ。
このままではいけない。
何故いけないのだろう…
それを知るためには、知りたくないことを知らなくてはならない矛盾──
「お前……やっぱ、覚えてないのか……っ?」
目を見開いた悠人は、まるで自分のことのように苦しそうな表情を見せている。