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愛しい記憶
第8章 記憶


不安げな悠人に笑いかけて、俺はそっと扉を閉めた。






「────……」





その扉をじっと見つめる。




自然と零れた涙。




そして振り返ると、マミも同じように涙を流していた。






「……知らないままで…よかったのに」




「マ…ミ……っ」




消えかかる彼女をゆっくりと寄せて、きつくきつく抱き締める。






頭はもう痛くない。




代わりに、甦った記憶のせいで張り裂けるように胸が痛くて仕方が無い──……






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