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愛しい記憶
第9章 初恋(回顧)



「お茶、飲む?」



そう聞きながら、もう姉ちゃんはコップを2つ用意している。



ローテーブルにコップを置こうとする時に伸びた白い腕。



少しかがんだせいで、Tシャツの中がチラりと見えて、俺は思わず立ち上がった。




「いらねー」



「えー折角入れたんだから飲みなよ」



「……お前が勝手に用意したんだろ」





なんとなく、姉ちゃんと呼ぶのが恥ずかしくなって、最近呼んでない。





「かわいくないなぁ」




ムッとつぐまれた唇。



その下のほくろ。




そのまま俺は姉ちゃんを無視して風呂に入った。




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