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愛しい記憶
第9章 初恋(回顧)
みんなが恋愛というものを経験していく。
話を聞けば聞くほど、その感情が何なのか分からなくなって、戸惑う。
母と姉と俺と。
別に珍しくない母子家庭。
いつも母親は忙しく働いていて、家を留守にしがちではあったけれど、愛情に飢えたという経験はなかったし、ちゃんと育ててもらったという意識はある。
なのにどうして…
自分が抱いている気持ちに名前が付かない。
分からないのに、思春期の俺の身体は正直で…
部屋に篭って、理由もなくムラムラしてしまえば、姉ちゃんの風呂上がりの姿を頭に浮かべて、性欲を鎮めていた。