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愛しい記憶
第9章 初恋(回顧)
そして
それは高校生になっても何も変わらなかった。
姉ちゃんと話すことを拒み、1人部屋で衝動に駆られて…
俺が高校3年になった春のことだった。
姉ちゃんは地元の大学に通っていた。
どちらも半分大人になった俺たちは、同じ家に住んでいてもたまに出くわすだけで、話す機会も激減していた。
ある日の休日。
遅く起きて、リビングで何か食べるものがないかと冷蔵庫を見ていたら、部屋から着飾った姉ちゃんが出て来た。
「あ…おはよう」
「……ん」
素っ気なく返事をして、気付かれないようにその姿を見る。