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愛しい記憶
第10章 愛堕(回顧)
イライラしながら、俺はその集団の前に足を運んだ。
あの日久々に触れた姉ちゃんの感触。
「触んな……」
こんなに想っている俺がずっと我慢しているのに、突然ヘラヘラとやってきたこいつらが、姉ちゃんに触れていることが許せない──
「友也っ……」
目を見開いた姉ちゃんの腕を俺は再び掴む。
「何、彼氏?」
「おいおい、なんだよ突然」
よたよたと身体を動かせているやつから、姉ちゃんを奪った俺は、そいつらを睨んだ。
「ふざけんな」
沸々と、怒りが沸き上がって考えることが出来なくなっている。
「友也……っ行こっ…」
そんな俺を姉ちゃんは制止すると、ただならぬ雰囲気を察したのか、男たちはその場からワラワラと去っていった。