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愛しい記憶
第10章 愛堕(回顧)
もう0時を超えた頃、風呂に入り終わった俺はベッドに仰向けになって横たわっていると、
ノックもなく姉ちゃんが入ってきた。
「友也………」
中途半端に乾かしたのか、まだ少し髪が濡れている。
上体を起こして、姉ちゃんを見つめると、姉ちゃんは、部屋の中に入って扉を閉めた。
「………何」
「さっきは…ありがと」
俯いたせいで、その短い髪が姉ちゃんの顔を隠す。
「あんま…夜遅くに出歩くなよ」
「………うん…」
「俺が通らなかったら…どうするつもりだったんだよ」
顔を上げた姉ちゃんは、泣きそうな顔で微笑んだ。