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愛しい記憶
第10章 愛堕(回顧)


しがみ付いてきた姉ちゃんを、俺は躊躇いがちに抱き締めた。


柔らかいこの感覚は子どもの頃のそれとは違う。



このまま堕ちるか…



それとも引き返すか…



愛しくて仕方のない彼女を前に、そんな選択肢はあってないようなもの───




「姉ちゃんっ………」


「んんっ……」



爆発した欲望。


身体を起こした俺は、静かに涙を流す姉ちゃんの唇を噛み付くようにして奪った。



「はぁっ……」


「んっ……」




舌が絡み合って息が上がる。



Tシャツの中に手を入れ込んで、姉ちゃんを貪る。



吸い付く肌の感触。



脳が痺れて理性を司る部分が停止していく。

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