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愛しい記憶
第10章 愛堕(回顧)



「優しくなんか出来ないから……っ」




全部全部自分のものにしたい。


誰にも見せたくない。




「ぁ……ぅっ……」




「姉ちゃんっ………」




伝えたいことが山ほどある。



この想いを伝えるための時間は多分一生あっても足りない。




「愛してる……っ……」




身体を重ねること、心を重ねることをずっと夢見ていた。




だから……




「あぁっ……」



楓とのそれとは比べ物にならない───



腰を沈めながら、そんなことを思い、姉ちゃんの口を塞いだ。




堕ちてしまった。



でもそれと引き換えに、俺はこの上ないひと時の幸せを手に入れた。




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