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愛しい記憶
第10章 愛堕(回顧)
その日から、俺と姉ちゃんは箍が外れたように互いを求め合った。
母さんがいない時を狙って、普通の恋人同士がするように愛を囁いて身体を重ねる。
イケナイことだと分かっていても、それは外界の話で、俺たちの世界には関係のない話。
いつものように鏡台で化粧をする姉ちゃんを背後から抱きしめて、首筋にキスを落とした。
「……ちょっと邪魔しないでよ…」
クルリと振り返った彼女。
途中までの化粧特有の匂いがして、俺は緩く微笑む。
「………化粧なんて…しなくていいよ」
「そういう訳にもいかないのー」
そう言いながら、鏡に向き直って、化粧を再開している。