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愛しい記憶
第11章 穢れ(回顧)
「大学受験甘くないんだからね」
「分かってるって」
ぽりぽりと頭をかいて息をつく。
「じゃあ黙って勉強!」
「……るせぇなぁ」
俺の反応を見て、姉ちゃんはケラケラと笑った。
大学か…
特段やりたいこともない。
姉ちゃんのことしか頭にないから。
だから、大学も地元の姉ちゃんと同じ大学に行って、日中も姉ちゃんが見れる生活が送れたら、なんて、そんなことばっか考えてる。
あぁでも、
その先は…一体────
不安を抱きながら、ポケットに入っているケースを上から抑える。