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愛しい記憶
第11章 穢れ(回顧)
考えるのが嫌になって、姉ちゃんのベッドに身を横たえた。
この先の未来…
俺たちを待ち受けているのは──
「ともやー」
ついウトウトとしていたら、レポートを終えたのか、姉ちゃんが俺の肩を揺さぶって起こしてきた。
「終わったの?」
「うん!完璧!」
「……おつかれ」
はわぁ…と欠伸をした姉ちゃんの目元が涙できらめく。
ぼんやりそれを眺めて、姉ちゃん、と俺は声を掛けた。
「んー?」
「愛してる……」
突然の言葉。
でも姉ちゃんは全く驚きもしないで、ニコリと微笑み返した。
「知ってるよ」
そう言って俺に顔を近付けて優しく触れるだけのキスを落とす。
「私も愛してる」